




宮迫千鶴《日曜日の庭》
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伊豆高原の海を見下ろす森の中の谷川晃一・宮崎千鶴夫妻の庭とアトリエには多くの人が集った。東京から移り住んだお二人の創作の場は、「伊豆高原アートフェスティバル」という新時代を開く美術展の拠点となった。1947 年、広島生まれの宮迫さんは、20 代のころから独学で絵を描きはじめ、絵画制作とともに、写真・美術評論、評論家・エッセイストとして活躍、女性の視点による鋭い社会評論も展開した。1988 年、伊豆高原に転居。自然や暮らし、心・体・霊性の不思議に注目し多くのエッセイを発表した。絵画は、自然をテーマにした視覚の喜びを喚起する明るい色調の豊かな作品で海外でも高く評価された。
<ジャンル>絵画
<技法・材質>:パステル/紙
<作品寸法(cm)>25.0 × 30.0
<所属:空想の森美術館コレクション>
*備考
・額縁は25年前のままなので多少の剥落がありますがそれも「味」となっています。
・送料は別途(地域別)計算となります。
【「花酒」と宮迫千鶴さんのこと】
――空想の森のアート&エッセイ(3)/高見乾司――
伊豆高原の海を見下ろす森の中の谷川晃一・宮崎千鶴夫妻の庭とアトリエには多くの人が集った。
東京から移り住んだお二人の創作の場は、「伊豆高原アートフェスティバル」という新時代を開く美術展の拠点となった。
1947年、広島生まれの宮迫さんは、20代のころから独学で絵を描きはじめ、絵画制作とともに、写真・美術評論、評論家・エッセイストとして活躍、女性の視点による鋭い社会評論も展開した。1988年、伊豆高原に転居。自然や暮らし、心・体・霊性の不思議に注目し多くのエッセイを発表した。絵画は、自然をテーマにした視覚の喜びを喚起する明るい色調の豊かな作品で海外でも高く評価された。
宮迫千鶴さんについては、書きたいことが次から次へと思い出されてくる。そして、いつの間にか瞼の裏が湿っている。
宮迫さんと谷川晃一さんが始めて湯布院の町においでになったのは、1992年のことだった。その頃、私たちは「アートフェスティバルゆふいん」という地域美術展を企画・開催しており、「町じゅうを展覧会場」と見立てたこの美術展では、宮迫さんの個展を「ゆふいん駅アートホール」で開催、同時に私どもの由布院空想の森美術館で「谷川晃一展」を企画して、町内30会場を結んだ展覧会の核としたのだった。すべての展示を終え、夜の空想の森美術館で、「花酒」でお迎えしたところ、宮迫さんはまるで上等のブランデーのような、琥珀色に醸成された「藪椿」の花酒が気に入り、次々に盃を重ねたのである。
「わたし、ここにある花酒の全部を味見する」
と豪語した彼女は、10杯目ぐらいで酩酊状態になり、轟沈したが、愉快な一夜を過ごすことができたのであった。
女性論や軽快で華麗な色彩の絵画で時代の先端を走っていた彼女は眩しい存在で、私たちは少し距離を置いて接していたのだったが、この夜を機縁に親密な同志のような間柄となった。第5回をもって最終回とした「アートフェスティバルゆふいん」は翌年から「伊豆高原アートフェスティバル」へと引き継がれ、その後25回を重ねて、国内最大級の地域美術展として、20世紀後半から21世紀のアートシーンを牽引したのである。
あっという間に過ぎたような・・・
長い長い物語でもあったような・・・
*「アートフェスティバルゆふいん」は1988年から1992年まで5回開催。「伊豆高原アートフェスティバル」は1993年から2017年まで25回開催し、その後を「伊豆高原五月祭」として引き継がれ、現在に至っている。
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