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水元博子《卓上の花》

¥180,000 税込

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画家のアトリエに、一束のバラが届けられた時、画家は色彩と形態の小さな旅にでる。その手は、まだ大病後の影響で思うようには動かないが、南の国で熱い仲間たちとともに過ごし、描いた日々の記憶は、自在な線となり、近くの公園に流れる音楽と響き合って、画面に定着する。

水元博子は宮崎の「新芸術集団フラクタス」に所属し、発表を続けた中堅作家。この画家の「赤」を見るとき、南国の生命力に満ちた空と大地、「いのち」の輝きと鼓動を思う。
「フラクタル」とは混沌の中にきらめく光の断片という物理用語で宮崎出身の前衛美術家・瑛九の系譜に連なるグループ(現在は休止中)。瑛九が結成した「デモクラート美術協会」は戦後日本の前衛美術運動の先駆的グループで、実力作家を輩出して解散したが、それから半世紀を経て「現代アート」の源流的位置づけとして再評価されている。時はめぐり、南の大地に根を張り、描き続けている作家たちには、それぞれの課題や試練が課されるが、それもまた変異・変転・回帰を繰り返すアートの一地点というべきか。大病後の回復を待ち、筆を手にした画家の再生エネルギーの発熱が予感される。

<ジャンル>絵画
<技法・材質>油彩/キャンバス
<作品寸法(cm)>41.0×31.8 *F6号
<所属:空想の森アートコレクティブ事務局>
*備考
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