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水村喜一郎氏は、遊びざかりの9歳のときに、高圧線で感電し両腕を肩から失った。そのため不自由さを伴いながらも、手の代わりに口と足を使って何事にも果敢に挑んだ。小さい頃から画家を夢見て、事故後すぐ口に筆をとり、14歳の時から油絵を描き始めたのである。
17歳の春には展覧会で初入選。これを機会に油絵への情熱が高まり、創作活動に打ち込む。
独特の力強い色彩で描かれる重厚で詩情にあふれた作品から、「描く詩人」と呼ばれている。
多くの公募展で受賞を重ねるほか、東京銀座「現代画廊」、大分県湯布院町「由布院空想の森美術館」など各地で個展を開催。この作品は1989年の空想の森美術館で個展の折に収蔵品となった。インターネットをみると安価で取引されている作品もあるが、記念碑的愛着があるため、正規の価格表示とした。
<ジャンル>絵画
<技法・材質>鉛筆/紙
<寸法(cm)>21.0×34.0
<所属>空想の森美術館コレクション
*備考
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画家・水村喜一郎は、美術誌「芸術新潮」に13年にわたって連載された洲之内徹氏の人気随筆「きまぐれ美術館」の残党ともいうべき一人である。「気まぐれ・・・」に連載されるまでは全くの無名だったが、以後人気を集め、2013年5月、長野県東御市に自身の作品を集めた「水村喜一郎美術館」を開設(現在は休館中)するなど、現在も着実に画家としての活動を続けているらしい。25年も前のことになるが、空想の森美術館での個展の折、ビール瓶を小脇に抱え、真昼の館内を歩き回っていた豪放快活な姿を思い出す。この画家は、両腕をなくしたが、精神も肉体も健全である。そしてなまじっかな普通人よりも尺度の大きな快男児である。絵は、重厚でありながら、画面には、大きな河のほとりに立って川風に吹かれているときに感じるような、清々しい詩情が漂う。口と足で描くという描法は表看板ではない。近年、障がい者の描いた作品がエイブルアートというジャンルに分類されて評価されているが、そしてそれは決して悪いことではないが、そこには「障がい者が描いたのだけれど、いいでしょう」というような優越者の視線=思いあがった態度が含まれてはいないか。そこには、純粋に絵を「観る」という行為とは別の心意が働いているのではないか。だが、そんなことは水村喜一郎においてはまったく関係ない。彼は、正真正銘、本物の絵かきなのだ。両手を失ったことにより、彼は「絵画の真髄」を見たのだ、不幸な事故は、彼の場合にかぎっては「天意」だったのではないか、というようなことを洲之内徹氏も書いておられた。この一枚のスケッチからは、犬吠埼の怒涛のとどろきが聞こえ、岩場に座り込み、口に筆をくわえ、足指に消しゴムを挟んで、描いては消し、消しては描いてゆく彼の姿が見える。会いたいなあ。
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