



高山辰雄《向日》
¥65,000 税込
残り1点
この商品は送料無料です。
太陽に向かう花・ひまわりとクローズアップされた若い女性の顔。画面にあるのはそれだけだが、どこかに漂う郷愁と、真夏の幻視または悠久の時空間に誘われるまなざしに惹きつけられる。17年ぶりに再開された由布院空想の森美術館の、窓から由布岳が見える展示空間に置いてみると、その感じは一層つよまる。
高山辰雄画伯は、1912(明治45年) 生まれ2007(平成19年)没。大分県大分市出身。小学生のころから画才を発揮し、当時すでに画家になることを目指していたという。中学校卒業と同時に上京し1931年に東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科へ入学。在学中は松岡映丘の門下生として日々研鑽、1936年に東京美術学校を首席で卒業するなど、画家として順調なスタートを切ったが、以後は多くの美術展に落選するなどの試練があった。太平洋戦争の渦中を過ごし戦後は日展を中心に活躍。人間の本質をとらえた深い精神性と抒情性に満ちた作品を発表し続けた。洋画の理念の流入と流行を横目に見ながら、伝統的な日本画の画法を駆使し、独自の画境を確立したのである。一方、時折見せる郷土「豊後」への愛着は、風景シリーズやさりげなく配置された人物画の背景などに顕著に現れている。画伯は一度だけ、当時の由布院空想の森美術館にもご来館下さり、壁面一杯に展示された「九州の民俗仮面」を興味深く見つめておられたが、惜しくもそれが作品化されるという機会は実現しなかった。いま思うと、当時の画伯は私などの駆け出しの美術館主が来やすく声をかけることが躊躇われるほど高名な画家であり、私どもはまだ仮面群の実態は把握していなかった。だが、振り返ってみれば、画伯のまなざしは、郷土の歴史やはるかな列島の古層までを見すえておられことがわかる。いまここに小品三点ではあるが遺作を再開された由布院空想の森美術館に展示することが出来、当時をしのぶことのできる幸福を思っている。
<ジャンル>絵画
<技法・材質>リトグラフ
<作品寸法(cm)>30×45
<所属>空想の森美術館コレクション
*備考
・送料は別途(地域別)計算となります。
-
送料・配送方法について
-
お支払い方法について
¥65,000 税込
送料無料